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学びや思いつきを記録する、超要約ノート

国内MBA2013年入学、2015年無事卒業!読んだ本、記事、などの読書ノート。 忘れないために超要約整理。そんな記録。

人は簡単に間違え、錯覚し、誘導される。ダニエル・カーネマン/ファスト&スロー あなたの意志はどのように決まるか? 上巻

人間の意思決定がいかにいい加減か。
というよりもあまりにも様々なバイアスに満ちていて、
その影響を日々受けまくっていることが明らかになる本。

具体的な事例を紹介しながら脳の判断の癖を解説してくれる構成なので、
非常に読みやすくてお勧め。
『スタンフォードの自分を変える教室』は脳や心理学の知見から自分の意志力をコントロールする文脈で書かれた本。
この本は、より深く、人の判断に影響する錯覚やバイアスのメカニズムを紹介している本。
結構、共通の実験や研究事例が紹介されているが、
この本の方が、その研究や事例に対する理解が深まる気がする。
上下巻構成でひとまず、上巻のメモ! めちゃくちゃ面白い。Kindle版もあるのね。

ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?

ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?


Kindle

ファスト&スロー (上)

ファスト&スロー (上)


脳みその2つのシステム!

  • 「システム1」は自動的に高速で働き、努力はまったく不要か、必要であってもわずかである。また、自分のほうからコントロールしている感覚は一切ない。
  • 「システム2」は、複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。システム2の働きは、代理、選択、集中などの主観的経験と関連づけられることが多い。

このシステム1が一瞬で色々なことを知覚、判断してくれるのだけど、
システム1の判断は色々な影響を受けまくってしまう。
でも、人はシステム1はコントロールできない!
なので無意識に影響してくるシステム1のバイアスにどう対応するのか、というお話。


チャブリスとシモンズ『錯覚の科学』

白チームのパスの回数を数えましょう、という動画。
そして、人は何かに集中していると、通常であれば必ず注意を引くようなものにさえ
気づかないことがある。その衝撃的な例がこの動画。


The Monkey Business Illusion


ミュラー・リヤー錯視

これも有名な事例だけど、下図の線の長さは?
明らかに下のほうが長く見えるけれども、実際のところは同じ長さ。
ミュラー・リヤー錯視のことを知っていれば、システム2がこれは同じ長さなんだ、と
修正してくれるけど、システム1にとって下が長く見える事自体は変わらない。
長く見えるけど、同じ長さ。しかし、何度見ても本当に下が長く見えるな・・・

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システム2は怠け者

これまた、よく使われる例だけど、

バットとボールは合わせて1ドル10セント
バットはボールより1ドル高い
では、ボールはいくら?

直感的に数字がひらめく。10セントだー!
この問題の特徴は直感的に答えが思いつき、それが説得力を持っていて、
間違っていること! 
正解は5セントで、検算してみりゃ一目瞭然なのだけど、
システム2はちょっと確認すれば判断できたことなのに、
システム1の判断をそのまま受け入れてしまう。
ハーバード、マサチューセッツプリンストン大学の学生の半数が10セントと答えている!
これほど、人間は自分の直感を無意識に信じすぎている。


結論に論理が従ってしまう

上の実験から導きだされる残念なこと。

たいていの人は、結論が正しいと感じると、それを導くに至ったと思われる論理も正しいと思い込む。たとえ実際には成り立たない論理であっても、である。つまりシステム1が絡んでいるときは、はじめに結論ありきで論理はそれに従うことになる。

つまり、直感で間違った結論を正と捉えてしまうと、
人はその間違った結論を補強するへりくつをひたすら考えるようになってしまう。


脳は、無意識に誘導されてしまう!! プライミング効果。

単語の穴埋め問題をやるとする。
「SO□P」

この問題をやる前に、「食べる」という単語を目にした人たちは
「SOUP」と答えやすくなるし、
「洗う」という単語を目にした人たちは
SOAP」と答えやすい!!

これをプライミング効果と呼び、
「食べる」は「SOUP」のプライムと言い、
「洗う」は「SOAP」のプライムと言う。


個人的にはちょっと恐怖すら感じる、プライミング効果!

ジョン・バルフの実験。
ニューヨーク大学の学生に5つの単語のセットから、4単語の単文を作るよう指示する。
たとえば、彼/見つける/それ/黄色/すぐに、みたいな。
で、このとき、1つのグループには文章の半分に、高齢者を想起させる文言を仕込ませておく。
忘れっぽいとか、しわ、とか。
で、この文章作成実験を終えた後、別の実験のために教室を移動するとき、
(この短い移動こそが実験のポイントなのだけど)
高齢者関連ワードを仕込まれたグループは、
他のグループよりも明らかに歩くスピードが遅かった!!

って、これを知って本当に怖いと思った。
直接的に全然関係ないことで受けたプライミング効果で行動まで影響を受けてしまう。
自分の行動、判断、意見、は思いっきり誰かor何かに誘導された結果かもしれない。。

その他に「感情ヒューリスティック」「自分の見たものがすべて」などなど

システム1の落とし穴はたくさん・・・
あぁ、この本は時折読み返して、気をつけた方が良いな。

少数の法則

  1. 標本サイズが大きければ、小さい場合より正確である。
  2. 標本サイズが小さいと、大きい場合より極端なケースが発生しやすくなる。

これだけ読むと、まぁ、そうだよねってなるんだけど、
極端なケースが発生したときに、この2番目の法則に思い至る人はもの凄く少ない。
その極端な例が出たことには何か理由があるのではないか、と
原因を探り出してしまう。
いやいや、原因なんてないんです。サンプル数が足りないだけです。
研究者でも陥る罠なんだから、我々一般人はもっと気をつけないと!

平均への回帰!

サンプル数が増えると平均値へと収束していく。

失敗した→叱る→次はうまくやる
成功した→褒める→次は失敗した

上記の事例があったときに、人は往々にして
失敗したやつを叱った方がうまくいく、経験上の法則だ!と思い込む。
でも、真実は単なる平均への回帰だったりする。
大きく失敗した人は次うまくいく可能性が元々高い。
叱ろうが、褒めようが関係なく、平均へ回帰していくからうまくいく。
逆にすごくうまくいったやつは、次に前ほどうまくいかない可能性が高い。
これまた、褒めようが、叱ろうが、他の何事も関係なく、そうなる可能性が高い。
平均への回帰には因果関係なんてない。
でも、人はそこに因果関係を見つけようとしてしまう。

成功の処方箋

何にでも意味づけをしたがるシステム1の作用によって、私たちは世界を実際よりも整然として、単純で、予測可能で、首尾一貫したものとして捉えている。過去の認識の錯覚は、未来は予測できコントロールできるというもう一つの錯覚を生む。こうした錯覚は心地よい。事態がまったく予測不能だったら感じるはずの不安を和らげてくれるからだ。私たちはみな、勇気づけられるメッセージを必要としている。行動はきっとよい結果をもたらすとか、知恵と勇気は必ず成功で報われるとか。まさにこのニーズに応えてくれるのが、ビジネス書である。

でも実際は、そんなことないわけ。
ものすごく運の要素が大きかったりする・・・
ビジョナリーカンパニーには悪いけど、成功の法則なんてないってのが現実。


ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?

ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?