学びや思いつきを記録する、超要約・要点抜き書きまとめノート

国内MBA2013年入学、2015年無事卒業!読んだ本、記事、などの読書ノート。 忘れないために超要約整理。そんな記録。

短期的なPLをよくすることが目的化しているPL脳から脱却せよ! 朝倉祐介/ファイナンス思考

日本企業を蝕むPL脳、それは短期的なPLの数字に囚われて、
長期的な成長を描けなくなる病。

企業価値を向上させることはPLをちょっぴりよくすること、ではない。
経営者も、投資家も目先のPLばかり見ているからダメなんだと言う話。

例えばGAFAの場合

・短期的なPLの既存を厭わない
・市場の拡大や競争優位性の確保を重視し、極めて大規模な投資を行う
・投資の目線が長期的で未来志向である
P.24

投資が短期的な回収と言う目線ではなく、競争優位性の確保、企業価値の向上に向けて投資される。
来期のPLがそれで悪化しようと構わない。
ただ、日本の企業だと、PLに傷つけるな、となる。そっち優先じゃないでしょ?ってこと。

会社の意思決定の中には、会社の価値向上ではなく、
実は、目の前のPLを最大化することを目的とした近視眼的な内容が紛れていることが珍しくありません。
P.26

四半期ごとの増収増益を作ることが目的化されてしまうと本質的な投資は行われない。
これをPL脳と呼んで、警鐘を鳴らしている。
お説ごもっともで、会社の中ではPL脳的な議論が繰り返されているなぁ、と実感する。

会社の成長ステージに応じた「経営者」

経営者とは職種で、別に出世してなるものでもない、と言う感覚が日本にはない。
マーケターとか研究開発と同じ、職種、なんだよ、本来。
そして経営者の中にもいくつかのタイプがあって会社のステージによって最適な経営者というのは変わる。

P.68 -P.69のをざっとまとめると以下の感じ。

創業期:「起業家」
→0から1を産み出す、立ち上げ段階、視点はあくまでもプロダクトの作り込み

成長期:「事業家」
→立ち上がったプロダクトから継続的な利益を創出するビジネスへ。規模拡大とオペレーションの洗練。

成熟期:「経営者(狭義)」
→自社事業が10まで育った会社を100まで持っていく。既存事業のほかに複数事業を並行稼働する組織運営。
 資産が使える。ファイナンス思考超重要。

経営者を職種として捉える考え方はほとんど浸透していない。
プロ経営者という方がちらほらいるけれど、絶対数はとても少ないし
世間一般からは認知されていない。

社長=会社のオーナーであるかのようなイメージがつきまとっているのもよくない気がする。
株式会社は誰のものか?
株主のものです。
社長のものってわけじゃない。

経営者は、株主から経営を任されているだけ。

所有と経営を分離した仕組みが株式会社というイノベーションなのだけど、
このことを一般の人たちがほとんど理解していない。

売上至上主義の罪

PL脳の最たるものが売上高至上主義だ。
売上高の成長が最優先されると、どんどん採算性は低下していく。
例えば、同じ100万円の売上でも
単価100円*10000個なのか、単価1000円*1000個なのかで意味が違う。
製造コストは10000個の方が低いだろうが、営業コストやマーケティングコストは高くなる。

どっちがいいかはトータルのコストで考えないとダメということ。

上場企業を蝕む短期主義

決算は1年や四半期といった期間によって区切られ、会社はその期間の結果によって評価されます。
したがって経営者は、どうしても目の前の決算内容をよくしたい、PLをよく見せたいという動機をもつものです。
P.212

これは日本の企業の成長にキャップをかける要因にもなっている。
四半期や1年での決算をよく見せることが気になるって、PL脳を社会全体で推進するような構造。
経営者の任期が短いことも長期的なビジョンで投資できない弊害が指摘されている。
そんな文脈の中で非上場企業やファミリービジネスが再び注目を集めている。

資金需要がなければそもそも上場する必要ないし、
上場以外の資金調達手段もある。

資金調達コストを低く抑える中での選択肢の1つでしかない、上場なんて。

理、心、運

朝倉さんの前著の話。

理と心と運の影響度合いは「1:4:5」くらい。
でも運は理と心を尽くしていないところには降りてこない。
理と心は必要条件なんだ、というの実によくわかる。

本田宗一郎は「理念なき行動は凶器であり、行動なき理念は無価値である」と述べています。
(中略)
もちろん、いくら正論を振りかざしたところで、現実がままならないことは、自身の経営経験を通じ、骨身にしみて実感しています。正論と現実は、得てしてかけ離れているものです。
ですが、だからと言って、「現場感」や「リアリティ」といった名の下に現状を肯定し、追従しているようでは、進歩は望めません。理想と現実の乖離を理解したうえで、思い描いた理想を100%は実現できないにしても、ままならない現実を少しでも「あらまほしき世界」に引き寄せる。数多上げることが出来る「できない理由」を少しでも多く潰す。ことを成すには、こうした不断の努力が必要です。
P.260

そういうものなんだ、という覚悟を決めるしかない。
それでもがくしか無いんだと思われる。
励まされる一節だった。