ビジネス書大好きMBAホルダーが教える私の学びシェア

本を読んでそこから新しい知識を得たり、学んだりすることが大好き。学びたい、成長したいという意欲のあるビジネスマンの皆さん、一緒に成長しましょう。

男性と女性では生きている物語が違うのだというお話。 谷本理恵子/プリンセスマーケティング 女性の購買意欲をかき立てる7つの大原則

女性と男性の違いを、物語の型をベースに解説する本。
テーマ的にステレオタイプな話にならざるを得ないので、
あまりに類型化するのは如何なものかと思うところもあるけれど、
これくらい感覚が違うのよ、ってことを明示したいだけなんだろうな。

女性の前でこういったことをしたり顔で語るおっさんがいたとしたらまず嫌われると思う。
でも、書いてあることには確かにそういう傾向があるかもね、とは思うから、
おっさんたちが読むこと自体は悪くないと思うけどね。


ヒーローとプリンセス

男性が主人公の物語はヒーロー物語。
困難を経て自ら成長し、敵を倒しヒーローになって周囲から感謝と賞賛を得る。
これが典型的なサクセスストーリー。

一方女性はプリンセスストーリー。
今、ここ、に漠然としは不安を抱いていて、ここではないどこか、
本当の自分を漠然と求めている。
それが何かを自ら気付く物語。
自分らしさを求める旅。


魔法との出会いを求めている

女性は魔法との突然の出会いを求めている。
自分の人生が一瞬華やぐような、
本来の自分を感じられるような・・・
現状には違和感を抱えていて本当の自分は別。
呪いを解く魔法のようなものが存在していて、
現状からの脱却は努力ではなく魔法で可能になる。

ざっくりいうとこんなようなこと書いてある。
なかなか理解し難い部分もあるし、女性とはこういうものだ的な発言も危険だとは思うが、
モノやサービスを訴求する際に、あなたにぴったりのモノに出会えてしまった、という
印象を与えることはめちゃくちゃ重要であることはわかる。

あまり悩んでいない

というかあまり現実を直視していない。

「ちょっと体重は増えたけれど服で誤魔化せているし、頑張ればすぐ痩せるから問題ない」と発言。衝撃を受けた私は、あちこちで聞き込みを続け「ダイエットが気になっているほぼ全ての人には太っている自覚がなく、あまり悩んでいない」という結論にたどり着かざるを得なくなります。
P.25

直視させると反感を買うことも

問題や課題を直視させることは反感を持たれることが多い。

それと商品やサービスの訴求においても、知らないだろうという前提でいちいち説明されるとバカにされていると感じる。
自分が前から知っていた、聞いたことある、と思えるようにさりげなく前提知識を埋める説明を入れていくのが上策。
でもこれは女性に限らず人に説明する際、最も重要なスキルだと思う。

初心者にちゃんと伝わるように「デザイン」されている! 各務太郎/デザイン思考の先を行くもの

各務太郎(かがみたろう)さんがデザイン思考に関して買いた本。
デザイン思考ってなに?というかそもそもデザインって何??_
っていうところから初心者にちゃんと伝わるように「デザイン」されている!

デザインは絵心やセンス、クリエイティビティといったものと一緒に語られがちだけど、
本来のデザインはそういったものとは関係ない。
この誤解を解くところから始めてくれる。

デザイン思考の先を行くもの

デザイン思考の先を行くもの

デザインという言葉が意味するもの

冒頭書いたように、デザインをどちらかというと美術学校的なものとして日本は捉えがちだけど、その認識は正しくない。

敢えて強調するが、デザインと、センスやクリエイティビティは、全く関係がない。とにかく新しい視点を提供すること、新しい課題を発見するということ、それこそがデザインなのである。
P.27

デザインはあくまでも、問題解決!

傘というプロダクトは、「雨が上空から降ってくる」という問題に対して、「手で持てる軸の先に膜をつけて水滴をさえぎる」という解決の糸口を見出したものだ。ここまでがデザイン。膜の模様や、柄の形状のことはデザインとは呼ばない。
P.29

ではどうしてこんな誤解が?

日本には「デザイン」という言葉が2回輸入されたと言われている。1回目は戦前に「設計」という意味で、2回目は戦後、文字通りカタカナの「デザイン」という意味で輸入された。前者は社会基盤の設計や社会課題の解決という大きな意味、後者は純粋に意匠という意味で捉えられる。
P.31

デザインとは改善の思考

仮説があるから検証できる。それをブラッシュアップするのがデザイン思考。無から有を生み出すものじゃない。

デザイン思考とは「改善のためのツール」であることがわかる。現状のプロダクトより、さらに良いものを生み出すための「仮説検証」のための道具。1を10に磨いていくための手法なのである。ところが現在、日本の多くの企業が「イノベーションを起こしたい」「0→1を強化したい」という目的でデザイン思考を導入しようとしている例を数え切れないほど目にするが、これは言葉上、矛盾であることがわかる。
P.71

デザイン思考の先を行くもの

デザイン思考の先を行くもの

長時間労働は、ダメ。 岡田良則/サクッと早わかり! 働き方改革法で労務管理はこう変わる

一応、読んでおこうと思いまして、手に取ったのですが、
全然、サクッと早わかりしない気がする。。。

まぁど素人なのと、いろんな勤務形態に影響があるので、
網羅的に説明してくれているのだけど、
ほとんどが自分の会社の制度とは関係なかったりとか、
そういうのもあるのかも。

例えばフレックスタイム制度の残業ってどう計算するの?とか。
フレックスの会社にとってはかなり大きな変更が起きているけれど、
フレックスじゃないから、まぁいいかな。

でも最大の学びは下記の箇所。

服務規律にも社員が違法な長時間労働をしないように明記します。
P.25

従業員自身にも長時間労働を禁じておくことが重要。
確かに長時間労働ダメと言ってるのに無視して残業して、なんかあったら罪に問われるの困るからね。

全マーケター必読なんだけど、実用的だからなるべく読んでほしくない気もしてしまう。 西口一希/たったひとりの分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング

早くも今年トップクラスの名著が出てきた。
「実践」とついてる所がポイントで、本当に実践したくなる、できそうに思える、
超絶実用書なのである。

これは本当にすごいから全マーケター必読なんじゃないかな。

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)

9セグマップ

まず顧客をロイヤル、一般、離反、認知未購買、未認知の5つのセグメントに分け、
未認知以外の4つをそれぞれブランド選好の高低で2つに分ける。
合計9セグメントで自社のターゲットがどのセグメントにどれだけいるのか、
それをどうしたいのか、施策によってどう移り変わっているのか、を
俯瞰して見るのが9セグマップ。

狭義のデジタルマーケに囚われすぎるとよくない

筆者が参加してきたアドテクノロジーやデジタルマーケティングセミナーで語られる内容も、新しいデジタル技術や手法を実行したら効果が上がった、ABテストで費用対効果がよくなった、といった発表が大半であり、そのほとんどが、ブランド全体から見れば限定的な影響にすぎない部分最適です。
(中略)
顧客を把握しないマーケティングは必ず、部分最適の連続から縮小均衡に陥ります。
P.23

N1を絞り込むことを恐れない

誰かのプレゼントを選ぶとして、一番喜んでもらえそうなのはどの場合か??
①子供、妻、夫、恋人のいずれか一人
②同僚、同級生20人
③4年生大学を卒業した東京在住、世帯年収800万円以上、こどもがいる専業主婦1000人

当然①ですよね、と。
深く理解してる一人のために考えた方が精度があがるはず。

だから、まずN1をしっかりと理解しようとすることが重要なんだ、と。
N1の理解から、アイデアが生まれ、アイデアが有効かどうかは別でテストして、
有効な施策をスケールさせていく。

ごくごくシンプルに言うならばそれの繰り返しなのだけど、
すごく腹落ちした。

とにかく、一度素直にこの本の流れに沿って考え、実行、してみると
たくさんの学びと成果が得られると思う。

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)

アパレル業界は終わってるかもしれない、でもだからこそ、イノベーションの可能性が詰まってる! 斎藤孝浩/アパレル・サバイバル

正直、アパレル業界は終わってる。
終わってる業界だから、イノベーションが起きる。
終わってる業界だから、ユニクロZOZOTOWNも生まれたんだと思ってる。
終わってる業界ほどイノベーションインパクトがでかいということ。
だから、アパレル業界をウォッチしておくのは面白いと思うんだよね。
で、この本はアパレルの未来を見据えながら、様々な事例を紹介してくれる本。

アパレル・サバイバル

アパレル・サバイバル

店舗とEC クリック&コレクト

オムニチャネルが騒がれて久しいけれど、店舗網ありきのアパレルが、
ECとの連動の1つで取り入れたのがクリック&コレクトと言われるやり方。
要するに、店舗受け取り。

ECにはいまだに抵抗のある人が多いのは事実。
服は見て買う、試着して買う。通販なんかで買えない。
通販で買うということはあまりこだわりのない人であるかのような刷り込みも拭えていない気がする。
でも良さそうな服を探すにはネットの方が優れてる部分は多い。
1日かけても回りきれないくらいの量をざーーっと一望できる検索性にリアル店舗は叶わない。
それなら気になったものを店舗で試せるってのが一番受け入れられそうな気がするんだよね。

クリック&コレクトはあくまでも店舗受け取りなんだけど、
店舗で試したいものをネットで選ぶができたら便利だと思うんだよね。

EC使ってる人からするとなんでわざわざ店舗で受け取るの?って
話になりがちなクリック&コレクトなんだけど、イギリスのnextの事例は真摯に受け止めるべき。

・宅配便の場合だと3.99ポンド(600〜700円)かかる配送料が店舗受け取りであれば無料になる。
・宅配便だと通常は商品到着まで3〜4日かかる。日本のユナ細かい時間指定ができないため、忙しい消費者にとっては宅配便の到着を待つのが大きなストレスである。
・クリック&コレクトによる店舗受け取りであれば、24時までにチュモンすれば翌日昼12時以降に顧客が指定する店頭で注文商品が受け取れる。
・国内540店舗という店舗網により生活圏、通勤圏に受け取りやすい店舗がある
P.72

ニーズ、結構あるのよね。そしてECとの組み合わせでそのニーズは埋められることが意外とある予感。

店舗の試着体験をより便利に!

ナイキの専用アプリの事例。
店舗でwifiに接続。気に入ったデザインの靴のサンプルについたバーコードを専用アプリでスキャンすると、
店舗倉庫にあるサイズが一覧で表示。希望のサイズを選ぶと店員が試着用に持ってきてくれる。
あらかじめサイズがあるかどうかわかるし、非常に効率的。

店舗のストレスをテクノロジーが解決してる好例だよね。
もっとも、お客様にその利便性を理解させて実際に体験させるまでは大変だと思うけど。

自分のサイズがない!!

商品を顧客に見せておいて、その気にさせたにもかかわらず、サイズ欠品で裏切る行為がファッションショッピングでの最悪の顧客不満足のひとつと思っています。
P.136

これ、EC在庫の引き当てとかで本当に在庫がなくなるまでは解決できる。
在庫は一元管理で引き当て可能にしたほうが効率良いんだよ、それは他店舗の在庫も含め。
それを店舗側が嫌がる理由を潰していったほうがいい。
どうせ、売り上げを他店舗に取られるとか、そういうくだらない部分最適が原因なんだから。

オンワードリユースの取り組み

これは本書を読むまで知らなかった。
オンワードでは自社の古着の回収をしている。
一旦全て自社倉庫に集め、再販可能なものはリユースパークという店舗や、
ECのオンワードクローゼットで古着として販売しているらしい。

他にもオンラインで体験予約して店舗に行く、という流れなど、
ECを前提にした店舗のあり方などを紹介している。

まぁ、『小売革命』とか、『世界最先端のマーケティング』とか読んでると、
それオド目新しい話はないんだけどね。

digima.hatenablog.jp

digima.hatenablog.jp


アパレル・サバイバル

アパレル・サバイバル

人事じゃない人も読むべき、採用に関する具体的で実践的なHow To! 青田努/採用に強い会社は何をしているか

人事は全く門外漢なのだけど、優秀な人事というのは
どういう考え方、動き方、仕事をするのかなと知りたくて、購入。

新卒採用を大々的にやるような大手企業ではないのだけど、
どのように自社をPRし、良い人材を惹きつけるかは、
企業規模問わず学べることがある。

大企業間でも獲得競争は熾烈なんだろうなと思うと、
どのように自社の採用力を高めていくかという人事の仕事は、
とても戦略的な仕事だし、マーケティング的な仕事だし、
自社の事業への理解もなくてはいけない経営的な仕事でもある。

採用に使えるメディアなど具体的で実践的な話がたくさん詰まっている。
先日読んだ西口さんの本もそうだけど、実践的であることは素晴らしいこと。

読んだ人のアクションを変えていける本、ビジネス書はかくあるべし、だよな、と。

採用に強い会社は何をしているか ~52の事例から読み解く採用の原理原則

採用に強い会社は何をしているか ~52の事例から読み解く採用の原理原則

採用パンフ

採用パンフにも工夫の余地はたくさんある。
ユーザベースの「31の約束」は見開きで左にDon'T、右にDoを配置し、
どうあってほしいのかが一目瞭然でわかる構成。

自社がどういう考え方なのかが伝わるし、
どういう人材を求めているのかも伝わる。

そういった企業文化に志望段階から共感してもらうってのは、
志望者も企業も、お互いにとってハッピーなことなんだな。

本書に紹介されている調査によると、
内定をもらった企業で働きたいと思ったタイミングは、
内定より前であることが圧倒的に多いのだそうだ。

内定出てから手のひら返したようにちやほやしだしても、遅い。
選考を重ねるたびに魅力が増していくようなことを意識しないと良い人材は採れない。

面接官の役割

面接官の役割分担とか具体的に考えたこともありませんでした・・・。
ビズリーチでは面接官の役割をフォロワー、モチベーター、インパクター、クローザーの
4タイプに分けているらしい。

なんだか自社の人事の至らなさと、もっとやらなくちゃいけないことが
まざまざと突き付けられている感じがする。

つまらない管理部門にしちゃだめなんだぞ、人事ってのは。
そして、専門性の伴うスキルが必要な領域なんだぞ。

意識を変えてまっさらなところから作らないとやばいよな。。。
イケてる人事組織の作り方、教えて欲しい。。。

採用に強い会社は何をしているか ~52の事例から読み解く採用の原理原則

採用に強い会社は何をしているか ~52の事例から読み解く採用の原理原則

これ以上ないほどわかりやすくコンサルの思考を教えてくれる教科書。論点思考+仮説思考+脳科学 安宅和人/イシューからはじめよ 知的生産のシンプルな本質

マッキンゼー、Yahoo CSOの安宅さんが書く、知的生産のための考え方をまとめた本。
書かれていたことはいちいち納得感のあるものだし、素晴らしいんだけど、
きっとコンサル業界では当たり前のことなんだろうな、とも思う。


イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

解の質と問いの質

多くの人は、マトリクスのタテ軸である「解の質」が仕事のバリューを決める、と考えている。そして、ヨコ軸である「イシュー度」、つまり「課題の質」についてはあまり関心を持たない傾向がある。だが、本当にバリューのある仕事をして世の中に意味のあるインパクトを与えようとするなら、あるいは本当にお金を稼ごうとするなら、この「イシュー度」こそが大切だ。
P.26

いかに良い問いを立てられるかがはるかに重要。
間違った課題設定に対する正しい解答ほど悲惨なものはない。

一方で、そのイシューに対して現実的な解答を出せそうか、という難易度のバランスも重要。

どれほどカギとなる問いであっても、「答えを出せないもの」は良いイシューとは言えないのだ。「答えを出せる範囲でもっともインパクトのある問い」こそが意味のあるイシューとなる。そのままでは答えの出しようがなくても、分解することで答えを出せる部分が出てくればそこをイシューとして切り出す。
P.72

解の出ない問い、大きすぎる問いを前に呆然としていても、生産性はなきに等しい。
食べられるサイズに問いを分割し、現実的に解けるもので、解いた時の価値ある問いを探すことが重要。

脳と理解

この脳の話はショッキングだ。
普段から意識して鍛えないと脳はいくらでも劣化するというか、
使わないと使わない状況に対して最適化されていってしまうんだな。怖い。

脳は脳自身が「意味がある」と思うことしか認知できない。そしてその「意味がある」と思うかどうかは、「そのようなことが意味を持つ場面にどのくらい遭遇してきたか」によって決まる。
有名な実験に「生まれたばかりの猫をタテ縞しかない空間で育てると、その猫はヨコの縞が見えなくなる」というものがある。その結果、その猫を四角いテーブルに乗せると、ヨコ線である端が見えないのでテーブルから落ちてしまう。
P.40

ストーリーの組み立てとイシューの分解

イシューに関連するデータを集め、データが出尽くしたらその意味を考え、
ストーリーを組む、というやり方が一般的だけど、これだと全くダメ。考え方は、これと真逆。

劇的に生産性を高めるには「このイシューとそれに対する仮説が正しいとすると、どんな論理と分析によって検証できるか」と最終的な姿から前倒しで考える。
P.107

要するに仮説思考なんだね。

そしてイシューはMECEに分割してサブイシューを作っていくのだけど、
このMECEというのが厄介。もれなく、被りなく、なんだけど、この切り方はいかようにもできて、
ここで意味のない分け方をしてしまうと結論が違ってきてしまう。

売上を分解しようとすると、「個数*単価」「市場*シェア」「ユーザー数*ユーザーあたりの売上」「首都圏売上+関西売上+他地域売上」など、無数の切り分け方ができる。どれも「ダブりもモレもなく」になってはいるが、それぞれの検討が同じ答えにたどり着くことは決してない。
P.109 - P.110

人に伝えるために

WHYの並び立てアプローチ
案件Aに投資すべきだということを人に説明する場合、少なくとも以下の3つの視点は説明が必要。
このWHYを並び立てることで意思決定者に重要な要素をMECEに伝えることができる。
・なぜ案件Aに魅力があるのか
・なぜ案件Aを手がけるべきなのか
・なぜ案件Aを手がけることができるのか

もう一つの型が、空、雨、傘、タイプ。
空が曇っている(課題の確認)
雨が降りそうだ(課題の深掘り)
傘を持って行こう(結論)

必要な情報の粒度を見極める

いたずらに細かく、精度が高ければいいというものではないのだけど、
これまたわからない人が多い。
50なのか、100なのか、300なのか、といった粒度で把握したいときに、
92か105かわからないから答えられないみたいな人。
求められている情報の粒度が全くわかっていない。
概算=正確じゃない、みたいな。
ずれてるとまずい、と誤差を許容できないがゆえに、工数が爆発して無駄な時間を使う。

「数字は細かく取ればいい」というものではない。最終的にどの程度の精度のデータが欲しいか、それをこの段階でイメージする。「50%か60%か」を見極めようとしているときに0.1%刻みのデータは必要ない。
P.162

不連続な差しか認知できない

脳は「異質な差分」を強調して情報処理するように進化してきており、これは脳における知覚を考える際の根源的な原理のひとつだ。そしてこれが、分析の設計において明確な対比が必要な理由でもある。(中略)分析の本質が比較というよりは、実は私たちの脳にとって認知を高める方法が比較なのだ。
P.173

答えを出すことに価値がある問いを立てる

調査、分析の設計の問題なのだけど、それがわかると何がいいのか?
YESならこう、NOならこう、という判断やアクションにつながるのか?
それがないと欲しい答えを探してるだけの話になっちゃうんだよね。

生物学には質問を肯定する結果が出ないと何の役にも立たない実験が多い。このような実験のことをアメリカの科学者はFishing Expedition(魚釣の遠征)という。魚が釣れなければ草臥儲けとなるという意味である。理想的な実験とは、論理も実験も簡単で、どんな結果が出ても意義のある結論ができるものである。
P.182

プレゼンの心構え

どんな説明もこれ以上できないほど簡単にしろ。それでも人はわからないと言うものだ。そして自分が理解できなければ、それをつくった人間のことをバカだと思うものだ。人は決して自分の頭が悪いなんて思わない。
P.222

論点思考+仮説思考+脳科学

基本的にはコンサル脳なお話なのだが、とことんバカでもわかるように噛み砕いてくれているからわかりやすい。
BCGの元日本代表だった内田和成さんの論点思考、仮説思考もこのようなコンサル脳の解説としては秀逸なので、
ぜひ合わせて読んでみて欲しいな。

論点思考

論点思考

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法


イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」