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問題を客観視して一緒に解決していくイメージ。 ロジャー・フィッシャー ウィリアム・ユーリ/ハーバード流交渉術

交渉術というとずる賢そうなイメージもあるけれど、
この本が整理しているのは至極まっとうな方法。
交渉や議論をする際に念頭に置いておきたい、基本的な考え方。
そして読んでみて思ったけれど、確かにここに書かれていることが
出来てない例って仕事をしているとたくさんあるような気がする。
こういう前提を共有できれば、会議とかも随分有意義になるような気がした。

ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)

ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)


とにかく基本の4項目

人……人と問題とを分離せよ
利害……立場でなく利害に焦点を合わせよ
選択肢……行動について決定する前に多くの可能性を考え出せ
基準……結果はあくまでも客観的基準によるべきことを強調せよ
P.30

この4つがほとんどいかなる状況下でも用いることができる基本要素。
人間は感情的なので、問題の指摘と人の非難がごっちゃになる。
解決すべき問題を人と切り離して話さないとダメ。
じゃないと、建設的な議論にならない。

話すほうも聞くほうも、人と問題をごっちゃにしがちである。例えば家庭で「台所が汚ない」とか「預金通帳の残高が少ない」といった発言は、単に事実を指摘したにすぎず、他意がない場合でも、聞くほうは個人攻撃として受け取るであろう。
P.43

まぁ、これはわかりやすい例だけど、仕事より家庭の方が難しい気がする……。

そして立場に固執した押し問答になるとこれまた話が進まない。
焦点を合わせるべきはお互いの利害。

選択肢や可能性はとにかくあらゆる方向から考えることが重要で、
結論に至るプロセスは客観的基準に沿う形に持っていく。
こういう基準で判断するとすれば、こうなりますよね、と合意を重ねていく。


とにかく相手を理解すること

究極的には、争いは客観的事実にあるのではなくて、当事者の頭の中にある。
P.47

事実がどうであれ、合意できない時は合意できない。
そういう意味では、理系の人が苦労するのはこういう所かも。
ロジカルに考えればこうでしょ? では人は全然納得しないし、
ロジックの前提を共有できていなかったりすることは往々にしてあり得る。
というわけで、交渉に臨む者の姿勢として大切なのは、
相手が言いたいこと、相手が望んでいるもの、相手のロジックは何を前提にしているのか、
そういった相手の頭の中を理解すること。
相手を理解しないと、何も始まらない。
相手を理解したうえで、相手と自分の考えのどこに違いがあるのかを炙り出していくと、
論点も明確になってくるし、説得のポイントも明らかになる。


豆知識

これは知らなかったなぁ。

英語では「顔を立てる」という言葉は軽蔑的な意味で使われる。「なあに、連中の顔を立ててやるためにやってるのさ」というように、相手がバツの悪い思いをせずにすむよう、ちょっとばかり言い逃れの細工を施してやったまでという意味で使われるのである。そこには嘲笑の意味がこめられている。
P.59

可能性の模索と取捨選択は分ける

可能性のある多くの解決策を考え出す過程と、それらの中から取捨選択する過程とを分離すべきである。あくまでも立案が先決で、決定はそれからだ。
P.110

これは思考法としての基本事項。
発散と収束を同時にやろうとするとうまくいかない。

この辺の話は瀧本さんの本とかにも書いてあったこと。
考え方にはある程度セオリーやお約束があるよ、という話。 瀧本哲史/武器としての決断思考 - 学びや思いつきを記録する、超要約ノート


ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)

ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)