学びや思いつきを記録する、超要約ノート

国内MBA2013年入学、2015年無事卒業!読んだ本、記事、などの読書ノート。 忘れないために超要約整理。そんな記録。

意思決定の質を高めるには、そもそも意思決定はどんな影響を受けやすいのか、という弱点を知る所から始まる。 印南一路/すぐれた意思決定

人の決断、すなわち意思決定がいかに間違えやすいか。
そしていかに無意識のうちにさまざまな影響を受けているか、を
解き明かしてくれる本。

人は簡単に間違え、錯覚し、誘導される。ダニエル・カーネマン/ファスト&スロー あなたの意志はどのように決まるか? 上巻 - 学びや思いつきを記録する、超要約ノート
人間は、合理的になんて生きられない ダニエル・カーネマン/ファスト&スロー あなたの意志はどのように決まるか? 下巻 - 学びや思いつきを記録する、超要約ノート

過去に読んだこの辺の本とテーマとしてはバッチリ被る。
つまり,もの凄く面白いし、知っといた方が良い。

惜しむらくは入手困難になっているっぽい所。
良い本なのにもったいない!

すぐれた意思決定―判断と選択の心理学

すぐれた意思決定―判断と選択の心理学

すぐれた意思決定―判断と選択の心理学 (中公文庫)

すぐれた意思決定―判断と選択の心理学 (中公文庫)

学問的な背景

人間は合理的な生き物ではありません。
全くロジカルではない行動を平気で取ります。

経済学は合理的な経済人を前提において構築している時点で
現実とは大きな乖離があるわけです。

で、そういう合理的経済人の前提から考えるのではなく、
実際の人の行動を観察する所から始めようというのが行動経済学
で、この分野は非常に心理学とかとも近しい訳です。

ダニエル・カーネマンはこの分野でノーベル賞取った人。
要するに脳みそは簡単に騙されてしまうのです。

意思決定の質を高めたいならば、張り巡らされた色々な罠を自覚し、
回避するように意識しないと無理。


すぐれた意思決定とは?

目的との関係性で決まる。
スピードが重視される場合、合意形成に重きを置く場合、質にこだわる場合、
それぞれの状況に置いてすぐれた意思決定というのは異なってくるだろうし、
そのためのプロセスも変わってくる。

面白いのは、グループでの意思決定に置いて、
意見の対立の無い意思決定ほど満足度が高く、
意見の対立があるほど意思決定の質が高い、ということが
実証されているらしい。


人間の限界

限られた作業容量、順次的処理、乏しい計算能力、
こう列挙すると人間はコンピュータに比べきわめて貧弱。
ただし、情報に意味を付与できるという点に置いて、人間は遥かに優れている。


情報の認知は選択的

情報の認知は包括的ではなく選択的。
無意識に情報を選別して受容している。

最初に我々が何を見ようとしているのかという期待が、
我々が実際に何を見るか,そして何を記憶するかということを左右する。
P.92

また、受容した情報への意味付けは,それまでの経験や
思考パターンに基づいて行われる。

これって、結構怖い話。
自分の世界の理解に基づいて情報は選別され、自分の文脈に沿って理解されていく。
この永遠のサイクルは一歩間違うととんでもない循環になりそうで怖い。
人間にはこう言う傾向があることを自覚した上で、
時には自分の知の体系とは全く異なるものに触れたりすることは
非常に重要なのだな、と改めて認識。


コントロール幻想

コントロール幻想とは、特定のタスクについて成功する確率を、
客観的な状況が示す確率よりも、主観的に高く見積もる傾向をいう。
P.133

運に左右される状況に,能力に左右される要因が導入されると、
このコントロール幻想は最もおきやすくなる。
例えばロトとかはこれの典型。
番号が決まったくじを買う宝くじよりも、
自分で番号が選べるロトの方がコントロール幻想を生じやすい。
これは売上向上のための巧妙な仕組み。


少数の法則

サンプル数が小さいとそれだけばらつきが大きい。
こう書くと当たり前のことなのだが、
普段この当たり前のことに気づかないケースが多い。

ある高校には二つの課程がある。A課程全体では男子が多数(65%)で、
B課程全体では少数(45%)となっている。両課程とも同数のクラスがいくつかある。
あなたがでたらめにあるクラスに入ると、55%が男子だった。
このクラスはA課程なのかB課程なのか、どう推測すればよいのであろうか。
P.141

じつは、これも一見A課程のように思えるのだが、
母集団のばらつきがどちらが大きいか,という風に考えると冒頭の話と一緒。
男子が65%いるA課程と45%のB課程ではB課程の方がばらつきが多く、
今回のケースだとわずかにB課程の可能性の方が高い。

このように小さなサンプルの方がばらつきが大きいことを少数の法則と言っていた。
野球の選手がシーズン当初好調な成績の人が出てくるのも、ある種の少数の法則。
まだ期間が短いから好成績が出ているだけで、長期化すると平均に回帰していく。
最初調子良かったやつが次うまくいかないのは、本人の努力や運では無く、
単純に平均に回帰しているだけかも?


錯覚的因果関係

共起事例に着目して、そこにありもしない因果関係を見出してしまうこと。
人間は意味を見出そうとしてしまう。それも,自分の都合のよい解釈によって。
これも誰もが持っている思考の癖なので、自覚して気をつけるしか無い。

これと似たものに後知恵バイアスと呼ばれているものがある。
一旦ことが起こってから、なぜそれが起こったのか、解釈することが出来る。
それが必然的に起きたように感じたり、さも実際に予測していたかのように記憶したり、
解釈したり、ふるまったりする。

まぁ、後から解釈を与えていくことが重要な面もあると思うのだけど、
後知恵バイアスは誰にも思い当たる節がありそう。
てか経営学とか事例研究の解釈なんてほとんど後知恵バイアスじゃないか、なんて。


天才の閃き

突如閃いた的なエピソード。
風呂入ってたらEureka!みたいなやつ。
これは、元々常日頃考えに考え抜いているからこそ起きるのだ、という説明と、
結果的に素晴らしいアイデアのみを報告し、
途中で消えていった無数のアイデアは報告されていない、という説明の2パターンあり得る。
要するに、閃いたエピソードは後知恵バイアスの可能性も十分あるということ。


意思決定を行う場合に適した人数

7人、らしい。


過剰忖度

誰も望んでいないことを集団で決めてしまうことがある。
相手のことを思って、よかれと思っていたら(忖度していたら)、
結果的に誰も望んでない結論にたどり着く、ということ。
面白い例が載っているので必読。(P.291)


思考のプロセス

質を高めるためには、思考の発散と収束が必要。
これが必要であることを集団内でも共有しておいた方が良い。
ダイバーシティの有効性はこう言う所でも裏付けられる。
あとより良い意思決定のために、あえて全ての意見を否定する、
みたいなやり方が紹介されていた。
これは常日頃からやった方が良いと思って頭の中でやってることなので
なんだか裏付けが取れたようで嬉しい。

すぐれた意思決定―判断と選択の心理学 (中公文庫)

すぐれた意思決定―判断と選択の心理学 (中公文庫)

すぐれた意思決定―判断と選択の心理学

すぐれた意思決定―判断と選択の心理学