ビジネス書大好きMBAホルダーが教える私の学びシェア

本を読んでそこから新しい知識を得たり、学んだりすることが大好き。学びたい、成長したいという意欲のあるビジネスマンの皆さん、一緒に成長しましょう。

経営者のスキルは後天的に学習できる! 菅野寛/BCG流 経営者はこう育てる

筆者は元ボストン・コンサルティング・グループのパートナー、
現一橋のビジネススクール(ICS)のディーン。

経営者に必要なスキルセットは何かを整理し、
それらはすべて後天的に努力で身につけられるものだということを
教えてくれる良書。

当たり前のことを当たり前にやっていくこと、
その地道さだったり、しつこさだったり、
愚直なまでの努力と実行力がいかに大切かがわかる。

なんだか、頑張ってみよう、というか頑張ってみたいと前向きな気持ちになれる本。

BCG流 経営者はこう育てる (日経ビジネス人文庫)

BCG流 経営者はこう育てる (日経ビジネス人文庫)



経営者のスキルセット

科学的なスキルとアート的なスキルの両方が必要。
科学的なスキルというのはビジネススクールで学べるような、
ロジカルシンキング、ファイナンスや財務会計、戦略論、各種フレームワーク、といった話。
ある種左脳的で形式知化しやすく、学びやすい。
アート的なスキルっていうのは、逆に右脳的な領域で、暗黙知
リーダーシップや倫理観、といった領域。

結局経営者の課題というのは、科学的アプローチで容易に答えが出せるものではない。
そのレベルの課題であれば部課が解決している、ということ。
経営者の意思決定は、ロジカルに考えただけでは決められない問題。

そういった経営課題に対して、ロジックだけで考えることの危険性も、
数々の経営者の言葉を引きながらこの本は説いている。


何が何でも結果を出すという強烈な意思!

これが大切。絶対に結果を出すのだ!
正しい戦略も、優れたアイデアも、実行されなければ意味なし。
ユニ・チャームの高原氏が言っていたけど、
考えることが1だとしたら、実行には10倍、成功させるには100倍の努力が必要。
それをやり切れるかどうか、強い意志を持たねば。


無私と倫理観

この人がこの重要性に至るってのが面白い。
と、ともになんか説得力がある。
仏の心がないと鬼の手は振るえない、って一説も妙に納得。
倫理観、善悪の判断を誤らないよう、意識しなくては。
ただ、皆がこういう価値観を持てるようにすることの方が大切だよな。
自分ひとり考えてるだけじゃしょうがない。


エモーショナル・メッセージ

外資系の戦略コンサルなんて、もっとロジックだけなイメージがあったけど。
で、本人も元々はあんまり得意じゃなくて、
人の気持ちがわからん、とか言われていたそうな。

ただ、その状況から努力で身につけようとする下りが面白い。
メッセージにはロジカル・メッセージとエモーショナル・メッセージがあるという定義から始まり、
自分なりに構造化して習得するための努力をしている。
何事もやってやれないことはないのだね。


ソフトな統率力

心根がやさしい善人であることが大切。
まあぁきれいごとと言われるのかもしれないけれど、
そういうのはやっぱり大切だよなぁとは思う。
まだまだ自分には足りない領域。


せめて学びやすいことは学ぼう

左脳的なお勉強は、それだけで役に立つものではないけれど、
学びやすさが整備されていることに感謝したい。
知識は前提条件になっていることを忘れちゃいかん。
せめて、前提条件で落ちこぼれないようにしたいな、とも思った。

BCG流 経営者はこう育てる (日経ビジネス人文庫)

BCG流 経営者はこう育てる (日経ビジネス人文庫)