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本を読んでそこから新しい知識を得たり、学んだりすることが大好き。学びたい、成長したいという意欲のあるビジネスマンの皆さん、一緒に成長しましょう。

ユニクロ、柳井さんに最高の教科書と言わしめた本。 ハロルド・ジェニーン/プロフェッショナル・マネジャー

誰?って思うかもしれませんが、アメリカの実業家で
元ITT(International Telephone and Telegraph)の社長兼最高経営責任者
社長就任後、14年半連続増益という驚異的な実績を残した。

そんな傑物が経営とは何かを書いたのがこの本で、
ユニクロの柳井さんのバイブルにもなっているらしい。

で、実際に読んでみるとかなり骨太な感じ。
浮ついていなくて、質実剛健な印象を持ちました。

プロフェッショナルマネジャー

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経営はゴールからの逆算

《三行の経営論》
本を読む時は、初めから終わりへと読む。
ビジネスの経営はそれとは逆だ。
終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。
P.34

経営を3行で表すならこれ、ということ。
始めにゴールありき。
どうなりたいのか、何をしたいのか、そこを明確にして、
ゴールから逆算することが大切。
ゴールを意識せずになんとなく積み上げ式でやっていても、ダメ。

このことに関してあとがきで柳井さんも次のように言っている。

経営者の中には、努力すれば成果はついてくると単純に思われている方、
一つずつ課題を解決する努力を積み上げていけば結論が出ると言われる方が非常に多い。
僕も、昔はそうだった。
だが、努力しても、その方向性が間違っていたら結論は得られない。
一歩一歩積み上げてやっても、一〇回繰り返せば、一〇歩だけ歩んだことにはなるが、
目指すべき目標が何かの結論は見えてこない。
何かを実行しようと思ったら、最終的な目的や目標を最初に明示しない限り、行動は起こせない。
P.310

方向性を正しく示し、みなの努力を成果につなげること、
それが経営者のやるべきことだ、と思って
ビジネススクールに通いだしたことを思い出しました。


事実の重要性と見極めの難しさ

“最終的な、信頼し得る真実”という意味を強調することにかけて、
“事実”という言葉の上をいくものはないということである。
その半面、実際に使用される場合、これほど乱用される言葉もない。
たとえば、昨日われわれが吟味した“事実”の中には、つぎのようなものがあった。

表面的な事実(一見事実と見える事柄)
仮定的事実(事実と見なされていること)
報告された事実(事実として報告されたこと)
希望的事実(願わくば事実であってほしい事柄)

事実のレッテルを貼られ、事実として受けいれられた事実、
すなわち“受容事実”-ならびに似たような由来を持つ、たくさんの言葉。
たいていの場合、これらはぜんぜん事実ではない。
日常生活の多くの場面で、これはそれほど大した問題ではないかもしれない。
しかし、経営決定の分野では決定的な重要性である。意図的な重要性がある。
意図的であろうとなかろうと、きみが受けいれ、あるいは提出したたったひとつの
“事実ではない事実”のために、マネジメント全体の物事や意思決定の流れが
間違った方向に向けられて、計り知れぬ金と時間と士気のロスをもたらす危険性があるのだ。
P.108-P.109

経営者としての意思決定は事実に基づくべきなのだけど、
その「事実」ってやつが曲者。
自らの意思決定においても気をつけなければいけないし、
上司へ報告する「事実」も本当に「事実」なのか、常に見定めねばいけない。


リーダーシップとは

マネジャーとしての私か果たしたITTへの真の貢献は、
今言ったようなマネジメント(経営者と経営)の基準を、
たいていの人が可能だと思っていたより上へ押し上げたことだ。
私か固執した達成の水準は、会社のあらゆる階層に浸透した。
われわれは背伸びし、手がかりをつかみ、経営し、目標を達成した。
「経営者は経営しなくてはならぬ」というその概念を
全社に行きわたらせること-それがいわゆるリーダーシップというものだと私は思う。
リーダーシップは単に経営すること以上のものである。
P.137

経営者は、とにかく目標の達成のためにありとあらゆる努力をし、
最後までとにかく粘って目標を達成する。
その粘りの重要性は他の章でも言及されており、自分の粘りのなさを反省した。
そしてそういった水準を会社に浸透させ、当たり前のレベルを上げること、
それこそがリーダーシップ。


意見が対立したらどのように任せるか

きみは彼にAの方法をとるように説得しようとする。しかし、彼はBの方法に固執する。
そのことの当事者は彼で、それは彼の責任だ。そこできみは彼に、
「オーケー、ジョン、(本社の)われわれはきみが問違っていると思う」と言い、
その理由を説明する。
「しかし、われわれのほうが誤りで、きみのほうが正しいという考えがまだ変わらないのなら、
きみのやり方でやってみたまえ」。
そして彼のほうが間違っていたとわかった場合、きみとしては、
そのことから彼がなにかを学んだことを期待する。
きみはものがよくわかった人なんだから、われわれの言うことの中から、
正しいと思うことと間違いだと思うことを取捨選択してくれたまえ。
そしてどちらとも判断がつきかねる場合は、われわれに相談してくれたまえ。
もしそれが五分五分の可能性をもったことで、われわれのどちらもが
どうとも決めかねる場合は、きみが主導権をとりたまえ。
当事者はきみで、われわれよりよく実際の事情を知ってるんだから。
われわれはきみに、こうせよとは命令しないし、きみを裏切るようなことはしない。
しかし、きみの思い通りにやるなら、日夜よく研究して、
自分が何をやっているかを自覚してやりたまえ。
けっして、やみくもに何かをやったりしないように。
きみが困った立場になるのは、きみが状況に関する事実を十分に探求しなかったために
物事がおかしくなったのだとわかった時だ。
そういう諒解のもとで、やりたいようにやりたまえ」
P.156-P.157

結局現場で日夜、当該事業に精を出している人たちに比べれば、
経営者が把握できることはわずかに過ぎない。
どのように部下に任せ、どのように協力体制をとるのか、それが非常に重要。
そして、しっかりとモニタリングして、
いつでも軌道修正できるようにしておくことも大切。


実行はルールに従う、でも思考は自由だ!

物事をおこなうには会社の機構を通し、近道をせず、
ルールにしたがってやらねばならぬ。
しかし、ルールにしたがって考える必要はない。
物事がいつでもなされるやり方に自分の想像力をとじこめるのは大なる誤りである。
実際、それは自分を市場の大勢に追随させるだけに終始させてしまうだろう。
P.297

これは、本当に仰るとおりだと思う。思考が自由じゃない人が多い。
もちろん、自分も無意識のうちに囚われていることが多いので気をつけねば。


柳井さんの組織&仕事論

組織は仕事をするためにあり、組織のために仕事をするのではないということを
決定的に知らしめる必要がある。
それは、絶えざる組織改革であり、現実に即した柔軟な人材の異動を行うことだ。
P.315

組織は仕事をするためにある。
なんかこの一言にぐっと来た。
組織のために仕事をするのではない。
勘違いしやすい気がしたので気をつけよう。

プロフェッショナルマネジャー

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